自由研究

「自由が何か知らなきゃ手に入らないので自由研究してます。」              自由研究という目的のために話題を取り上げているため記事単体で読んでもよくわからない時がある 記事によって後日追記したり添削しているときがある

視点 ~なぜ偏差値は収入やジェンダーギャップに用いないのか?~

みんなが当てにする偏差値は他に使えないの?

質問した動機

 某質問サイト(ヤフー知恵袋ではない)では、偏差値にまつわる質問を散見するので、偏差値は数値さえあれば算出できる平均は50で表す、便利な数値だと解釈し、疑問に思ったことがあります。

「なぜ学力は偏差値化するのに、収入やOECD加盟国のジェンダーギャップなど偏差値化しないのでしょうか?」

という質問を某質問サイトでしてみました。これには続きがあって、そんなに偏差値の読み解き方をみんなが知っているならジェンダーギャップ指数や教育費の公的支出が少ないことも偏差値でみんなに示せば問題意識をもって貰えると思ったのです。(だって、そんなに偏差値を気にしているなら適切に偏差値を読み取れると思ったので)私は、偏差値がよくわかっていなかったし、人生で一度も当てにしたことがありませんので、偏差値とはどのようなものかも平均50以外に知りませんでしたので、このような質問をぶつけてみました。(本当のことを言うと授業で算出の仕方は習っていました。)

では、次にどんな回答が返ってきたか

学力の偏差値と偏差値を出す母集団の条件など

 著作権を気にするとさすがにコピペはできませんので、回答に対して送った私の理解内容コメントを紹介して説明にかえます。

 偏差値は万能ではなく、2020年6月25日駿台模試の結果の偏差値では60だった、といったようように偏差値を述べるには限定する必要がある。まず同じ問題、そして試験を受ける人々がある程度同じような学力のでないと成り立たないということです。そのため、同じ試験を受けてないならば、厳密には偏差値を比べることはできないと私は解釈しました。小学生や中学生が大学受験用の駿台模試を受けるものなら偏差値が狂うみたいです。家族に言われたのはさらに厳密にいうと学年別で試験が分かれているときもあるらしいので、そちらの方が正確な偏差値がでやすい。

収入の偏差値化はどうなのか?

 収入偏差値の問題点は都道府県別に物価などで収入が決まってくるため当てにならないのと同時に、新入社員と40代の社員では給与が違うのだから全部ひっくるめて収入を偏差値化するのはおかしいという風に解釈しました。雇用形態など分類することは山積みで、特に日本はジェンダーギャップから考えてこれも考慮に入れる必要がありそうですよね。さらに家族に言われたのは、年齢別や業種、大卒ならばどの大学、どの学科のみたいな感じで限定しないと正しく偏差値化は無理ではないかとのことです。日本国内だけでなくフィリピンなど新興国も含めて偏差値化するのは、やはり物価の壁があるようでした。

偏差値を読み解く時は社会調査みたいに限定的にしか言えないということと捉えて差し支えなさそうです。(どんな研究でもそうですが)

個人の偏差値ではなく学校の偏差値とは?

 私は偏差値の特性について50が中間ぐらいしか知りませんでしたが、限定的にしか言えないのだとしたら学校の偏差値はさらによくわかりません。大学は旧センター試験とかでどうにか算出できそうですが、二次試験でさらに絞られるため偏差値はわかりにくい。合格最低得点とかで偏差値を算出するのでしょうか。

 ですが、もっと不可解なのは高校、中学校の偏差値です。共通のテストが実施されるわけでもないのに、いったいどうやるのでしょうね。家族に言われたのは全国共通小学生テストとかを使うのではと言われましたが、受験者の偏差値と学校の合否をどうやって入手するのだろうと疑問に思います。

 一番疑問に思うのは、偏差値の算出方法をしらないで偏差値を気にしている人々です。その情報をどこまで鵜呑みにしていいのか、算出方法をしらないのだからわかるわけがありません。偏差値の結果で変に自信を喪失したり、もったりしないといいのですが。(偏差値の算出方法も塾で習うのですかね)

終わりに

 別の質問回答者の方から是非偏差値だしてみたらと言われ、時間もあったしエクセルもあるのでやってみました。去年度前期に履修した心理学統計の授業資料をわざわざ引っ張ってきて。

 EnvironmentのWaterのFreshwater resourceからPercipitaionの偏差値を算出してみました。参考:OECD Statistics(2021年5月3日時点)降水量です。

カナダとコロンビアは数値がなかったので抜いてます。スロベニアは推定値ですが算出する時に含めました。全35ヶ国以下の結果のようになりました。本当は緯度や国土面積も併記できれば良かったのですが。

2位 オーストラリア 75.19、オーストリア 46.43、ベルギー 45.81、4位 チリ 55.89

チェコ 46.05、デンマーク 45.92、エストニア 45.84フィンランド 47.46、

7位 フランス 49.89、ドイツ 47.93、ギリシャ 46.56、ハンガリー 46.07、

アイスランド 47.27、アイルランド 46.33、イスラエル 45.65、イタリア 47.88

5位 日本 51.04、韓国 46.69、ラトビア 45.96、リトアニア  45.98

ルクセンブルク 45.62、3位 メキシコ 57.72、オランダ 45.86

6位 ニュージーランド 50.64、ノルウェー 48.73、ポーランド 47.24、ポルトガル 46.29

スロバキア 45.91、スロベニア 45.87、スペイン 48.39、スウェーデン 48.49

スイス 46.11、トルコ 49.81、イギリス 48.01、1位 アメリカ 99.46

 いつの降水量かよくわかりませんが、降水量の偏差値の算出やってみてよかったです。多分、正規分布とか重要なのかもしれませんが、アメリカの降水量が全35ヶ国の中でも群を抜いているのがよく分かりました。何でもやってみるのものですね。

数値は検算していませんので本気であてにしないように、ですが計算過程も載せておきます。↓

Microsoft OneDrive - Access files anywhere. Create docs with free Office Online.

不慣れなExcelですが便利さを噛みしめながら、家族に手伝ってもらい算出しました。やってみて、エクセルがあれば億劫にならず様々なデータを偏差値化できそうです。そして、何気に英語の勉強になりました。このデータを見て意外だったのはオーストラリアは砂漠地帯がありながら降水量が多いことです。

 (ツッコミを入れるなら、普通に平均とデータを比べればわかるんですけどね。ただ、偏差値を出すという過程を楽しんだだけです。(笑) そして、降水量で偏差値出しても何の意味もないし、こんなに母数が少ないなら偏差値出す意味もない。)

こんな感じで、今回はこの辺で終わりたいと思います。

 

最後まで読んで下さりありがとうございました!

 

追記[2021年5月13日]

某質問サイトで他にも回答がやってきたので追加で調べてみたところ参考になるものがあったので紹介しておきます。偏差値のうみの親である、桑田昭三さんにインタビューしたもので、どのような経緯で学力偏差値を導入しようと思ったのかという話です。

Microsoft Word - KuwataInterview(J).doc (jalt.org)

私の読んだ感想は、いい大学、いい会社に就職しないと人生終わりだから失敗しないように確実に入れるところを狙う、そのような日本の文化なら偏差値は根付くだろうなといった印象です。偏差値はあくまで相対評価で、大勢のなかで自分がどこにいるのか表す指標だから。そして、やはり作った当初の理由と目的と、現在の偏差値の使われ方は違うのだなと思いました。近代になったころの自由主義と、現代の自由主義が違うにように。軽く読めるので是非読んで見てはどうでしょうか。

 

付録

偏差値出し方

標準得点(Z得点)=偏差÷標準偏差 

・データの平均を出す

・偏差を出す (データ ー 平均) 

・偏差の平方根を出す (偏差²)

・偏差平方和を出す (偏差の平方根の総和)

・分散をだす (偏差平方和 ÷ n) n=データの数

・√分散をだす (分散^0.5) ←標準偏差

偏差値=Z得点×10+50

これで偏差値がでます。偏差値では50が平均です。