自由研究

「自由が何か知らなきゃ手に入らないので自由研究してます。」              自由研究という目的のために話題を取り上げているため記事単体で読んでもよくわからない時がある 記事によって後日追記したり添削しているときがある

金銭的自由 ~資産運用をしないその理由は合理的なのか~

 高校時代のお世話になった友人に価値のある恩返しをしたくて資産運用の説明をしたとしても、リスクがあるからやらない可能性がまだ残ってるので書いた記事だ。

 

国民が資産運用を踏みとどまる理由について

序論 資産運用の活用状況

 「老後2000万円問題」がメディアで大きく報じられ、国民は年金を自助努力で賄わなければならないことを多くの人が知ることになった。政府は国民が老後資金を形成しやすいよう税制優遇がある確定拠出年金制度(iDeCo)をつくったが、この制度はこの制度は2019 年2月末時点で118.1万人の加入者数と多くの国民が活用していないのが現状だ。[1]利用者が伸び悩む原因は、iDeCoは60歳まで現金化できないことをリスクと国民が考えているからだと思う。それと同時に2017年の時点でiDeCoの認知度は名称別で最大約4割にとどまっており、加入者数が伸びない原因の一つと考えられる。[2]一方で、いつでも現金化でき税制優遇のあるNISAや積み立てNISAという資産運用制度も存在する。しかし、全てのNISA口座を累計しても約1,405 万 6千口座と国民に広く浸透しているとは言えない。[3]

こういった資産運用制度を国民の多くが活用していないのは、なぜなのだろうか。

 

[1] 厚生労働省年金局企業年金個人年金課,2019,「iDeCoを始めとした私的年金の現状と課題」『厚生労働省 提出資料』,p.9,(2020年8月9日取得,https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/market_wg/siryou/20190412/02.pdf).

[2] 株式会社VOYAGE GROUP,2017,「確定拠出年金の認知度は約4割。「日本版401K」「iDeCo」「DC」の別名認知度は2割足らず」,VOYAGE GROUPホームページ,(2020年8月9日取得, https://voyagegroup.com/news/press/01_20170628_01/).

[3] 金融庁,2020,「NISA・ジュニア NISA 口座の利用状況調査」,(2020年8月9日取得, https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20200714/01.pdf).

 

 

本論 資産運用しない理由は理由たりうるか

 2018年8月にMUFG資産形成研究所が行った「金融リテラシー1万人調査の概要」によると、企業勤務者8500名中3827名の約45%が投資をしたことがなかった。[1]「・投資を検討したことがない人たちの中で、約3割の人は「そもそも投資に興味がない」・また、約半数の人は「知識不足」「損をするのが不安」と感じている。」[2]ということも分かっている。

 しかし、最初に述べたように国民は年金の不足分を自助努力で賄わなければならならず、資産運用から目を背けている場合ではないようだ。経済アナリストの森永卓郎によると、老後2000万円問題の内訳は「無職の高齢2人暮らし世帯の支出は26万5000円、収入が21万円なので差引毎月5万5000円の赤字が出ます。」[3]ということだが、これは男性が65歳以上、女性が60歳以上の夫婦の場合である。仮に、2000万円を30年間で貯金するならば一カ月あたり平均5万5000円を貯金する必要があり、2人で貯金すると考えても図1から分かる通り現実的ではない。このように収入だけで老後の資産形成は無理そうなため、資産運用から目をそらすことはできないはずだ。

 また、運用するための資金がないという理由で投資を始めないのは理由にならない。なぜなら、iDeCoの最低掛け金は月5000円だからだ。老後資金に手をつけないのなら元本保証がある投資信託もあるのでiDeCoの活用は積み立て貯金の意識でできると考えられる。さらに、iDeCoは掛け金に応じて課税控除が受けられ、ただ貯金するのと比べて確実に出費が抑えられる。[4]

 NISA・積み立てNISAの場合、最低掛け金は100円からなので、よほど支出管理が徹底されていない限り資産運用に回すお金を捻出できる金額である。そのため、お金がないといって資産運用しないのは多くの人の場合理由にならないはずである。

 

[1] MUFG資産形成研究所, 2018, 「金融リテラシー1万人調査の概要-「投資をしている人」と「投資をしていない人」の違いとは-」, p.3, (2020年7月24日取得, https://www.tr.mufg.jp/shisan-ken/pdf/kinnyuu_literacy_01.pdf).

[2] 同上. p.11, (2020年7月25日取得, https://www.tr.mufg.jp/shisan-ken/pdf/kinnyuu_literacy_01.pdf).

[3] ニッポン放送NEWSONLINE, 2019, 「森永卓郎が驚愕の事実を指摘~年金2000万円問題、本当に必要なのは6000万円也!」2019年7月11日, ニッポン放送NEWSONLINEホームページ, (2020年7月25日取得, https://news.1242.com/article/179461).

 [4] 桐谷春音,2020,「定期預金のみのiDeCo」どれくらい節税対策になるか 実体験で詳しく解説」,Microsoft News マネーの達人,2020年7月28日,(2020年8月2日取得,https://www.msn.com/ja-jp/money/personalfinance/%E5%AE%9A%E6%9C%9F%E9%A0%90%E9%87%91%E3%81%AE%E3%81%BF%E3%81%AEideco-%E3%81%A9%E3%82%8C%E3%81%8F%E3%82%89%E3%81%84%E7%AF%80%E7%A8%8E%E5%AF%BE%E7%AD%96%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%8B-%E5%AE%9F%E4%BD%93%E9%A8%93%E3%81%A7%E8%A9%B3%E3%81%97%E3%81%8F%E8%A7%A3%E8%AA%AC/ar-BB17glRl?ocid=msedgdhp).

 

結論 将来の支出予測不足

 本論を踏まえて、ここまで資産運用制度が国民に認知されていないのは政府の努力不足だというのもあるが、多くの国民が自分の生活やライフイベントに合わせた支出を予測できておらず制度の活用に踏み切れていないと考えられる。つまり、日本の多くの国民に金融リテラシーが備わっていないということになる。しかし、2022年度から高校の家庭科に投資信託の授業が盛り込まれる。[1]これをきっかけに国民のiDeCoやNISAといった資産運用制度が多くの国民に活用されることを願うばかりだ。

最後に、ここでは脚注情報の年度の統一ができなかった。また、日本国民の金融リテラシーにも触れられなかった。なお、資産運用制度の普及のため教育と就学以外の両方の方法で国民の金融リテラシーの向上を今後の課題としていきたい。

 

[1] 西田玲子,2019,「高校家庭科で「投資信託」22年4月から授業」『日本経済新聞』2019年11月12日,(2020年8月18日取得https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51840730W9A101C1000000/,).

 

注意:図1は大学の授業資料なため載せられなかった

 

補足と課題では書ききれなかったこと

まず、図1のが根拠にも関わらず載せていないことに関して述べる。自分で生涯支出と生涯収入を計算して欲しいところだが一様箇条書きを載せておく。

質問攻めにしたい授業資料図1によると

生涯賃金 1.5億円~3.2億円+年金

生涯支出 基本生活費 1億6800万円 (月20万円×12カ月×70年)22歳~92歳想定

     結婚&予備費 500万円

     教育 3000万円

     住宅購入 3000万円

     民間保険 1000万円

     他 2000万円

     税金 6000万円

     計 2億9600万円 

    *結婚、子ども二人(高校と大学が私立の場合。)個人差が大きい。

 

「生涯収入・生涯支出なんて人によって違うだろ」という声に応えると、それが違うのは当たり前である。だから、自分で計算して欲しい。一人暮らししていない限り自分の支出を把握するのは難しいだろうが、とりあえず月々の出費を通帳やカード決済などを記録が残っている限り見ることから始めればいいと思う。

「え、わからないんだけど?」と思ったら、自分の金融リテラシーのなさを国のせいにしてもいいと思うが、文句を言ってもしょうがないのでアプリや通帳などを使って記録し生涯支出見込みをだしてから、生涯収入がいくら必要なのか計算すること。多くの人がこれをやる前に自分の学歴・職業を選んでいる気がする。面倒なら、生涯支収入シミュレーションとネットで検索すればよい。(正直微妙だが)

生涯支出を計算する際税金と増税の可能性もお忘れなきよう。

とにかく、生涯支出と生涯収入がトントンではないということだけはわかって欲しい。

 

生涯支出の参考までに

淺井敏次,2015,「生涯でいくらお金が必要?生活費や現金支出をシュミレーション」,マネーの達人,(2020年8月18日取得,https://manetatsu.com/2015/07/48710/).

 

 

今後、資産運用をなぜしたほうがいいのか、説明しiDeCoやNISAの特徴などを気が向いたらブログにあげたいと思う。

今回の記事のタイトルがミスマッチなのは否めないが、読者がグダグダ言わず資産運用に前向きになり、金銭的自由獲得の役に立てば幸いだ。

余談だが、アフェリエイトはやっていないのでこのブログは個人の道楽である。

 

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